ジムニー(JB64)、ジムニーシエラ(JB74)については、AT車は全車種アイドリングストップ機能が搭載されています。MT車については、3型以降からアイドリングストップが搭載されているようです。
今回は、この煩わしいアイドリングストップをキャンセルするためのアイドリングストップキャンセラーの取り付け方法について書いていきます。
今回の動画
今回の動画はコチラになります。
ジムニー&ジムニーシエラのアイドリングストップをキャンセルする方法については、大きく分けて以下の2種類の方法があります。
- カプラータイプ
- 配線するタイプ(アイストキャンセラー)
アイドリングストップについては、古来よりリレーを使って自作している人もいるみたいですが、自作配線は技術の必要な部分であり、素人には大変危険なので、完成されて実績のある市販品の購入をオススメしたい所存です。
カプラータイプ
まずは最もお手軽なカプラータイプから紹介していきます。
カプラータイプの仕組みについて
ジムニー&シエラは、ボンネットが開いていると、アイドリングストップが作動しないようになっているようです。
このボンネットの開閉を判定しているスイッチがエンジンルームにありまして、ここにつながる部分としてボンネットを開けたときに見えるこのカプラーがあります。
カプラーを直結(短絡)させることにより、車両側にボンネットが開いていると錯覚させて、アイドリングストップを作動させないようにする、というのがカプラータイプの大まかな仕組みだと思います。
仕組みは単純なので、自分で簡単な直結配線を作ることも可能です。プラスからきた電気をマイナス側に直結させてそのままボディへ戻すような仕組みを作ります。
雨水が侵入してくる箇所のため、防水処理もしっかりしなければなりません。市販品を購入することで、面倒な配線と防水の両方をお手軽に行うことができます。
カプラータイプの取り付け方法
取り付け方法はとても簡単です。
まずはボンネットを開けます。
ボンネットの開け方は、運転席右下にあるボンネット開閉レバーを引っ張ります。
「ボンッ」とボンネットが浮き上がります。
ボンネットの隙間から指を入れてロックレバーを左側に倒し、ボンネットを持ち上げます。
エンジンルームに向かって右側にあるボンネットを支える支柱を立てます。
僕は作業しやすいようにカプラー下にあるツメの固定を解除しました。この作業はしなくてもカプラーを外すことは可能だと思います。
赤矢印の部分を押しながらカプラーを左右に引っ張ることで外せます。
外したカプラーに大きい方(配線が入っている方)のカプラーを取り付けします。カプラーはカチッと音がするまでしっかりと差し込みます。
もう一方の反対側に小さいカプラー(防水用のフタ)を取り付けます。
配線は遊ばないように、タイラップなどで既存の配線類と一緒にまとめておくのが良いです。
これで取付完了です。
エンジンを始動すると、すでにアイドリングストップがキャンセルされています。アイドリングストップキャンセルを表示するランプ【A OFF】もつきませんが、特に問題はないと思われます。
僕はこの状態で長期間の使用はしていませんが、実際に取り付けした方のレビューを確認すると、全く問題なく作動しているようです。
カプラータイプ 元に戻す方法
カプラータイプのアイドリングストップキャンセラーを解除するには、割り込んだカプラーを取り外してカプラーを繋ぎなおして元の状態に戻す必要があります。
配線するタイプ (オートパーツ工房 アイストキャンセラー)
ここからはオートパーツ工房のアイストキャンセラー(配線タイプ)の紹介をしていきます。
アイストキャンセラーの仕組み
アイドリングストップオフボタンのコネクターに、専用の制御基板を割り込ませることで、アイドリングストップオフボタンの動作を電子的に自動制御する仕組みになっています。
取り付けは、一見すると難しそうに見えますが、実際にはアイドリングストップオフボタンのコネクタ裏にキット付属の基板を割り込ませて、基板動作用の電源を取っているだけです。
アイストキャンセラーの内容物確認
左からワンタッチコネクタ類、中央上に基板付きコネクター本体、中央下はヒューズ付き電源配線、右は説明書です。
電源取り用のヒューズ配線と、本体から飛び出している赤線がコネクタで繋がります。
アイストキャンセラーの取り付け方法
オートパーツ工房のアイストキャンセラーの取り付け方法です。
基板付きコネクターを取り付ける
まずは作業の支障になるスターターボタンパネルを取り外します。
スターターボタンパネルは思いっきり引っ張れば外れます。スターターボタン裏に2本のコネクターがささっているので同時に外しておきます。
コネクターはとても外れにくいので、ドライバーなどで中央のツメを押しながら外すと良いかもです。
次にアイドリングストップオフボタンを外します。
アイドリングストップオフボタンは、正面からこじるよりも、スターターボタンパネルを外した部分の裏側から指を入れて、手前にグイッと押し出すようにして外したほうが良さそうです。
ボタンは単にハマっているだけなのでパカッと外れます。
ボタン裏に接続されているコネクターを外して、キット付属の基板付きコネクターを中に割り込ませてから元に戻します。
基板本体から出ている赤い配線は、ボタン穴の奥に一緒に押し込んで下から出しておきます。
下に出した赤い配線の先端にキット付属のコネクターを取り付けます。
こちらは配線をコネクター奥まで入れて、プライヤーなどでパチンとカシめるだけで被覆が剥けて接続完了、という超絶スグレモノです。
ヒューズボックスから電源取り出し
電源をとるためにヒューズボックスを探します。
ジムニー&シエラのヒューズボックスは、助手席側グローブボックスの奥にあるため、支障となるグローブボックス本体を取り外します。
グローブボックスは、上は左右2箇所、下は2箇所で止まっていますが、下を外すことで上も外れるので、まずは下から外していきます。
グローブボックスの下側は、写真のように【C】を下に向けた感じで支柱にハマっています。なので、上に力をかけて外します。
グローブボックスを少し開けたくらいの位置でちょうどCが真下を向く感じです。なので少し開けた状態を保ちつつ、下から思いっきり上方向に叩いて支柱からC型を外すイメージでいきます。
グローブボックスの固定部分はかなり強度が高く設計されているので、少々のことでは壊れないと思います。
グローブボックスを外すときは、グイグイと引っ張るよりは、壊すくらいの覚悟で「ダンッ」と叩くように一瞬だけ力をかけるのがコツです。
グローブボックスが外れたら、奥にヒューズボックスが見えるので、黒いカバーを外します。
このアイドリングストップキャンセラーは、動作させるためにIG(イグニッション)電源を取る必要があります。
ジムニー&ジムニーシエラでは、下画像のS/H(シートヒーター)用のヒューズから電源を取るのが一番無難だと思われます。
黒いヒューズボックスカバーには、各ヒューズの役割が書いてあります。
【S/H】ヒューズは、シートヒーターを動作させるための電源で、IG動作時に電力が供給され、かつ15Aと電力の高いヒューズです。シートヒーターなので、万が一、配線トラブルで作動しなくなっても車の運行に影響しない安全な部分です。
車から電源を拝借する場合は、必ずこういった【走行に支障のない安全な部分】から電源をとるのがセオリーです。
ちなみにジムニー&ジムニーシエラの場合は、MTの場合はクラッチ(ATの場合はブレーキ)を踏まずに
- スタートボタンを1回押すとACC(アクセサリー)電源状態
- スタートボタンを2回押すとIG(イグニッション)電源状態
- スタートボタンを3回押すと電源が落ちて元の状態
になります。エンジンをかけずにオーディオなどを動作させたい場合はACCにしたりします。
スターターボタンを2回押しした状態で、ちゃんとS/Hのヒューズに通電するかどうかをテスターで調べてみます。
説明書は一般的、普遍的なことしか書いていないので、ちゃんと自分でもテストしてみて、動作を確かめるのは大事なことです。
エーモンの簡易検電テスターは600円で買えるので、一つ持っておくと一生使えます。
オーディオ裏から電源をとることにした
僕は、ヒューズボックスからは電源を取らずに、オーディオ裏から取りました。
ヒューズボックスから電源を取ると、ヒューズボックスのフタから閉まらなくなるのが嫌だったからです。
ヒューズボックスのフタに小さな穴を開けて配線を通してもよいのですが、それも面倒なので、オーディオ裏に余っているACC電源があるのを知っていたのでそれを使いました。
説明書には「電源はIG電源より取る」と書いてあるので、決して推奨はされない方法ですが、ACC電源でも電源としては全く問題ないのでは?と自己責任で判断してます。
オーディオパネルを取り外します。
オーディオパネルの下にある細長いパネルを取り外します。下の写真の位置あたりに樹脂パーツを入れてこじって外します。
細いパネルを外したところにあるプラスネジを2本外し、オーディオパネルの下をこじりながら引き出します。パネルを外すと配線が出てきます。
僕の車は、以前ETCを取り付けしたときに、電源を取るためだけの目的で以下のオーディオハーネスを接続しています。このハーネスには、ACC電源が余分に余っているので、今回はそこから電源を取ります。
■関連記事:ジムニーシエラにETCを取付 フロントパネル、メーターパネル外し
キット付属の電源取り用の先端にあるヒューズを切断します。
カットした先端に、自作の配線を取り付けします。
配線が細くてオスのギボシ接続が心もとなかったので、家に余っていた別の配線を一緒に割り込ませて、メスのギボシを分岐接続しました。これは未来の自分へのプレゼント(投資)です。
※詳しい作り方は動画の(23:25)あたりから
自作配線のオス端子を車両側のACC電源に接続します。これで電源確保。
※車の配線をいじるときには、安全のために車両バッテリーのマイナス端子を外してください
メーターパネルの取り外し
配線はメーターパネル裏を通すことにしました。運転席右下あたりに配線を持ってくる場合は、メーター裏を通すのが作業的には一番楽なのです。
メーターパネルを外します。
まずはステアリング下のレバーを下げて、ハンドルを一番下まで降ろします。
つかめるところを掴んで、思いっきり手前に引っ張ります。ここはツメでハマっているだけなので思いっきり引っ張れば外れます。
バゴッと音がしてパネルが外れます。
メーターの左右上角にに2本のプラスネジがあるので外します。
メーターユニットを外すと、指さしている位置にコネクタがささっているので、慎重に取り外します。
赤い電源配線をメーターユニット裏の穴を少しずつ通しながら右下まで持っていきます。
キット付属の簡易コネクターを取り付けて、はじめに取り付けた基板ユニットから出てくる赤配線と接続します。赤い配線はかなり長いので必要に応じて切断しました。
バッテリーを接続し、動作確認します。
オートパーツ工房のアイストキャンセラーは、デフォルトの状態でアイドリングストップキャンセルが動作するように設計されています。
エンジンをかけると5秒くらいで【A OFF】のランプが点灯して、自動的にアイドリングストップオフがオン(アイドリングストップキャンセル)状態に移行します。
これで【アイドリングストップオフボタンをエンジン始動後に毎回押す】という行為から開放されました。
アイストオフキャンセラーのモード切り替え方法
オートパーツ工房のアイストキャンセラーは、アイドリングストップオフ(初期)状態と、純正状態の2つのモード切り替えができます。
解除方法は以下の通りです。
- アイドリングストップオフボタンを押しながら、スタートボタンを押してエンジンを始動します
- そのままアイドリングストップオフボタンを5秒~10秒ほど押し続けます
- アイストオフランプ【A OFF】ランプが点滅します
【A OFF】のランプが1回点滅すれば解除成功です。通常の純正状態と同じようになります。
いったんエンジンを切り、もう一度上記の3つの動作をすることで【A OFF】ランプが3回点滅した後に点灯し、アイドリングストップが自動オフの(初期)状態に戻ります。
オートパーツ工房のアイストキャンセラー取付半年後の感想
ここからは取り付け後に半年経過した現在(2024年10月)の感想になります。
縁の下の力持ち
普段は忘れていて気が付きませんが、このアイドリングストップキャンセラーは縁の下の力持ち的な要素でして、ほんと便利すぎます。
もっと早く付けておけばよかったと切に思います。
これからアイドリングストップ機能付きのジムニー&シエラを購入される方は、もう購入直後に付けてください 笑。必須アイテムといっても過言ではないくらいです。
ACC電源でも問題はないのか!?
説明書ではIG電源から取るようになっていますが、半年使ってみてACC電源でも特に不具合を感じていないです。普通に日々エンジンを掛けるだけなら全く問題なしです。
エンジンをかけずにスタートボタンを押して、電源のみを使用しようとすると何かしらの不具合はあるのかもしれません。ただ、これまで2~3回そのような機会はありましたが、特段不具合は感じませんでした。
今後、なにかあったらこの記事の追記で報告しますね。
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