
ECU書き換えのために、事前にスパークプラグ交換を行います。
この作業は、ECUの書き換えメニューによっては必要ないかもしれませんが、ハイオク仕様のECUの書き換えに伴い、ショップの推奨項目として挙げられています。
内容としては、プラグの熱価を純正より2番手上げるものになります。熱価を上げることにより、プラグ自体が熱に強くなります。ハイオク仕様は確実にエンジン内部の熱量が上がるので交換が推奨されています。
HKSのM40Xというスパークプラグがショップの推奨品として適合するようです。僕は4本セットのこちらを購入しました。
今回の動画
今回の動画は以下になります。記事で読みつつ、動画で細かい動きや力加減などを参照してみてください。
スパークプラグ交換に必要な工具類

プラグ交換に際しては以下の工具を用意しました。すべて手持ちのものですが、同じく作業したい方のために紹介しておきます。
コンパクトラチェットハンドルとソケット

コンパクトラチェットハンドルと、10mmのソケットです。
このくらいのサイズ感のラチェットハンドルは、車の各部に点在する10mmのネジ外しで意外と使えるので1本持っておくことをお勧めします。
昔に購入したものなので今は売っていませんが、以下におすすめ品を載せておきます。

ソケットは単品で購入するよりもセットで購入することをお勧め。こちらも一度購入しておくと、一生モノです。

間に挟んであるのはボールジョイントです。これがあることで、ソケットが比較的自由にくねくねできるので狭いところでかなり重宝します。

ラチェットハンドル、エクステンションバー、プラグソケット

中くらいのサイズのラチェットハンドルは車いじりの主力となる工具です。おそらくほとんどの車いじりで超絶高頻度で使います。
手にしているラチェットハンドルはもう20年以上前からずっと愛用しているものです。いまだに普通に使えてる。首振りタイプで狭いところでも自由がきくのでとても使いやすい。以下はお勧め品です。

間に挟まっている赤いものは「クイックスピンナー」と呼ばれるものです。ラチェットハンドルをいちいち振らなくても指先だけでネジを回せるスグレモノ。これがあるのとないのでは作業性がガラリと変わってくるレベルで便利で手放せない工具。

中間にあるエクステンションバーはソケットの位置を延長するものです。プラグはエンジンの少し奥まった部分にあるので、延長バーは必須です。
僕の使用しているものは150mmのものですが、車いじりするなら以下のような50mm、75mm、150mmとセットで買ったほうがお得です。組み合わせてロングにすることも可能。

先端についているのはプラグソケットです。こちらはマグネットが仕込んであるもので、プラグを緩めてマグネットで吸着して取り出すためのものです。プラグを交換するときしか使わない専用工具ですが、無くてはならない工具です。

トルクレンチ
トーニチのトルクレンチです。トルクレンチ界隈ではそこそこ高級品ですが、純日本製で実績もあり、最も信頼のおけるメーカーです。
以下のものは10N・mから50N・mまで使用可能で、コンパクトなのでサクッと工具箱にも入る。ちょこちょこと車いじりするサンデーメカニックには絶妙なトルクレンジとサイズ感になってます。

スパークプラグ交換手順
ジムニーシエラ(JB74)のスパークプラグ交換の大まかな手順としては以下の通りです。
- エンジン上部にある4本のイグニッションコイルのネジを外す
- イグニッションコイルを抜く
- スパークプラグを外す
- 新しいプラグを入れて規定トルクで締めつける
- イグニッションコイルを戻してネジを締める
4本のイグニッションコイルのネジを外す

まずは指さしているネジ(10mm)を外します。イグニッションコイル1本につき、1本のネジで止まっています。
ハンドラチェットと10mmソケットを使用してネジを外します。


イグニッションコイルを抜く

ネジを外したらイグニッションコイルを引っ張って抜きます。圧力が抜けるようなスポンッといった感じの小気味よい音がします。
1番(手前側)はすぐに抜けると思います。2番、3番は横にコードがまとめられているので、コードをまとめている2箇所のフックを外してフリーにします。

一番奥の4番のイグニッションコイルは、下の画像のように根本の配線がきっちりまとめられていて取り外しできません。なので、ここだけはカプラー部分を取り外します。

赤矢印の部分を押しながらカプラーを引き抜きます。少し力がいるかもしれませんが、グイッと押し込みながら引っ張るとスポッと抜けると思います。

カプラーを抜いたらあとはフリーになったイグニッションコイルを引き抜きます。
スパークプラグを外す

イグニッションコイルが抜けたあとは、丸い筒状の穴が空いているので、そこにプラグレンチをそっと入れてプラグにはめてから緩めます。
ちなみに、ネジを緩める方向は万国共通で反時計回りです。ネジを締めるのは【の】の字の方向(時計回り)で、外すのはその逆です。
プラグは間違って締め込んでしまうと、エンジンのネジ山が破損する可能性があるので、緩める方向をよく考えてから緩めます。
プラグのネジが緩んだらゆっくり引き抜きます。
するとプラグがプラグソケットに吸着されて出てきます。

ちなみに、プラグを抜いたあとの取付部のネジ山はけっこう錆びてました。4本ともこんな状況だったので、これがデフォルトみたいです。熱がかかる過酷な部分なのでこんなものなのかな?

プラグの状態を確認しよう
取り外したプラグの状態を確認してみます。下の画像は新旧比較です。

先端の白い部分がきつね色に焼けていたら良い状態みたいです。僕のジムニーシエラは見た感じはかなり良い状態だと言えます。
ここがカーボンなどで全体的に黒ずんでいたり、白かったりすると、番手があっていない可能性があります。

新しいプラグを入れて規定トルクで締めつける
プラグは、4本すべてを一気に外してもよいですが、僕はエンジン室内にゴミが入るリスクを避けるために、1本ずつ外して、新品のプラグに取り替えて、という作業を繰り返しました。
動画内では、僕の興味本位でエンジンの燃焼室内も覗いてみたので、興味ある方は動画をご視聴ください。


プラグはトルクレンチを使用して締めました。締め付けトルクは15~20N・mとサイトに記載があったので、僕は中間をとって18N・mで締めました。

HKSのWEBサイトでは、トルクレンチがない場合の推奨回転数も載っていました。

トルクレンチがない場合は、新品のプラグではネジがとまったところから約180度、使い回しのプラグでは同じく約30度ほど締め込むと良いみたいです。

新品と使い回しのプラグでそれぞれ回転数が違うのは、プラグについているワッシャーのようなものが潰れて圧着される仕組みだからです。
実際に動画内でも検証してみましたが、新品プラグ締付時は、おおよそ180度くらいで15N・mくらいになるようです。あくまでもざっくりです。心配な方はトルクレンチを購入してください。
イグニッションコイルを戻してネジを締める

外したときと逆の手順でイグニッションコイル戻します。
4番のイグニッションコイルはまずエンジン内部に入れてから、カプラーをつけます。その後、3、2、1の順番に戻していきます。コードを固定している2箇所のクリップも忘れずに戻します。
最後に10mmのネジを締めて完了です。ネジは10mmなので締め付けすぎないようにします。ネジが止まったところから軽くククッと増し締めするくらいでOKです。
エンジンを始動してみて、無事にエンジンがかかれば成功です。エンジンルーム内に工具などを忘れないように、エンジン始動前にちゃんと片付けましょう。
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